Setup |
PCの入力デバイスとして欠かせないものの一つに、 ゲームコントローラがあります。 たとえばこんなものとか。 Xbox360コントローラ 他にも各社からいろいろ出ていますが、 音ゲーなど、特定用途には専用のコントローラを使いたいものです。 そこで、おなじみのPS2-USBコンバーターです。 JY-PSUAD11(サンワサプライ) 今回は各社から出ているPS2-USBコンバータの特性を調べます。 特に、音ゲーコントローラに一番適したコンバータを選びましょう。 用意する物: フォトICダイオードS9066-111 ユニバーサル基板 トランジスタ2SC1815,2SA1015など チップ抵抗10[kΩ] 配線材 安定化電源 入手したコンバーター: BGCUPS102BKA(バファローコクヨサプライ) BGCUPS103BKA(バファローコクヨサプライ) JC-PS101USV(エレコム) JC-PS201USV(エレコム) JC-PS202UBK(エレコム) JY-PSUAD1(サンワサプライ) JY-PSUAD11(サンワサプライ) PSX-CV01(プラネックスコミュニケーションズ) Xbox360コントローラ(比較用) pop'n music BE-Mouse(比較用) DPP(比較用) フォトICダイオードは液晶ディスプレイの光を検出します。 他は一般的な部品です。 PS2-USBコンバータは某カメラ量販店で入手できる一般的なものです DPPは比較用に用意しました。 参考: 第三科学研究所 プレイステーション・PAD/メモリ・インターフェースの解析 |
Step 1 |
まず、測定用治具をくみます。 測定治具は、 ・専用ソフトウェア(Microsoft Visual C# 2008 Express Editionで作成) ・専用光センサー治具 で構成されます 配線図は以下の通りです。 fig.1 専用ソフトウェアはこんな感じです。 fig.2 画面右側を白く書き換えた瞬間にタイマーをスタートさせ、 ジョイパッドのボタンが押されるまでの時間を記録するソフトです。 画面の描画を光センサーで読み取り、ボタンの押下に変換するため、 測定時間に液晶の遅延が含まれます。 測定に使用した液晶はFlexScanL885で、応答速度20[ms]と多少遅めです。 この遅延時間を最小にするため、表示方法を工夫し、 「黒→白」ではなく、「センサー反応閾値ぎりぎりの灰色→白」 と描画しています。 また、液晶の描画タイミングはプログラムと同期をとっているので、 液晶描画までの遅延時間はほぼ一定になります フォトICダイオードの特性はデータシート等を確認してください。 測定風景はこんな感じです fig.3 光センサーは遮光フィルムを貼り付けて使用しています また、実際に測定するときは、画面の一番上端にセンサーを貼り付けます |
Step 2 |
各コンバータの特性と測定データです。 結論を急ぎたい方は次のStep 3へどうぞ。 ○基本の基本、純正PS2本体の信号 ○サンワサプライ製、JY-PSUAD1、JY-PSUAD11 ○バファローコクヨサプライ製、BGCUPS102BKA、BGCUPS103BKA ○エレコム製、JC-PS101USV、JC-PS201USV、JC-PS202UBK ○プラネックスコミュニケーションズ製、PSX-CV01 ○DPP(比較用) ○その他有線、Xbox360、BE-Mouse(比較用) |
Step 3 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
結論。 測定データのうち、平均応答速度は以下の通りです。 また、測定データの項でも述べたとおり、 usb入力デバイスはusbport.sysの改造によって レスポンスが向上する場合があります。そこで、 無改造を平均応答速度a、usbport.sysを1000[Hz]設定にした場合の 平均応答速度を平均応答速度bとして併記します。 また、特記が無い限り、コンバーターには ビートマニアIIDX専用コントローラを接続して、測定を行います。
平均応答速度a=usbport.sys無改造(125Hz) 平均応答速度b=usbport.sys改造済み(1000Hz) Table.1より、いずれの条件においても、 サンワサプライのJY-PSUAD1およびJY-PSUAD11が 最速の応答速度を出すことが分かります。 また、usbport.sys無改造の場合、 いずれの変換器もDPPの速度を超えることは出来ませんが、 usbport.sysを1000[Hz]設定に改造することにより、 平均応答速度が向上する製品があり、場合によっては DPPにせまる応答を見せることが分かります。 ただし、測定データの項目で述べたとおり、 DPPのデータは参考値です。 また、電圧注意と書いてある製品は、 データ端子に問題のありそうな電圧がかかっており レスポンスの善し悪しにかかわらず、あまり使いたくないです。 追記:測定データに関して、プログラムの都合上、 出力データが1[ms]単位の”切り捨て”になっています。 そのため、実際の応答速度は、平均で+0.5[ms]する必要があります。 例:JY-PSUAD1 23.10[ms]→23.60[ms] |
Step 4まとめ |
いかがだったでしょうか。 今回は、マウスの応答速度測定用に作った治具の、応用編です、 マウスの時のように、定番機種がそれほど速くないなどの、 意外なデータが出てくることを期待したのですが、 結局、入手した中では、 「サンワサプライ以外ろくな製品が無かった」 というのが結論です。 つまんないですね… なんでこんな評価を行ったかと言うと、 多くのサイトで行われているPS2-USBパッドコンバーターの評価は なぜか連射速度にこだわった評価が多く、肝心の応答速度について あまり語られていないと感じたからです。 連射速度は応答速度と直接結びつきません。 ポーリングレートは速いけど、応答速度は遅い機種、 なんてのもあるかなーと思ったのです。 (マウスだと存在します) 調べてみると、それ以前の問題でしたが… 唯一の収穫としては、usbport.sysの改造が、PS2-USBパッドコンバータ にも有効だということが分かったことです。 usbport.sysの改造はマウス関係でも有名ですが、 こんな効果があるとはびっくりです。 ただし、usbport.sysの改造は他のデバイスにも影響し、 ゲームによっては不具合が出たり、そもそも認識しないなど、 多くの副作用が報告されている方法です。 十分注意が必要ですよ。 では、感想、レポートまってま〜す。 |